業績不振に陥りやすい企業③「売上至上主義」
※売上至上主義
いつもブログを読んで頂き、ありがとうございます。
本日は「業績不振に陥りやすい企業」の第3回目として「売上至上主義」について書かせて頂きます。
売上が多いことは、企業規模を示すひとつの指標ではあると思います。
しかし、大手企業ならまだしも小企業が売上至上主義で良いだろうか?
中小企業の7~8割は赤字企業だという統計があります。
赤字の原因は様々だと思いますが、そのひとつに『売上至上主義』があると考えています。
単純に「売上を増やせば、利益が出て業績が良くなる」と思ってもよいだろうか?
「今期は売上が5億円達成したから来期の目標は7億円でいこう」と目標設定するのも結構ですが、
「利益はどうなの?」と聞きたくなる。
会社概要等で「年商××××××千円」と表示されているのを見て、見た人の基準で「お~凄いな~」という。
しかし、年商を頑張って増やしても利益が赤字なら神経と労力を使っただけでなく昇給もできず報われない。
売上を重視される経営者は、数字に弱い経営者が多いと感じます。
利益の計算の仕方が分かっていないことに問題があると思います。
実際に売上を増やすことで利益も増えて業績回復することはあります。
しかし、売上が増えたのに赤字という企業もあるのです。
それは、何故かといいますと、経営者又は営業責任者が「とにかく売ってこい」と毎日のように厳しく言う場合に起こることです。
営業の査定が売上金額だけを重視しすぎると、社員は売上金額を上げるために「値引き」をして売ります。
単価を安くすれば、数を多く買ってもらえるという式です。
あまりに厳しすぎると、ドンドン安売りをして、商品の原価以下で販売する人もいるはずです。
そうなると、売上金額は増やせても、商品自体の利益(粗利)がないので、必要経費を差し引けば赤字は当然です。
結局、経営者が売上にしか目がいっていないこと、会計が分からないことで、「売上さえあれば」という知識しかないことが原因です。
商品の適正粗利(商品の利益)が確保されているか、その上で売上も増えればいうことはないでしょう。
ただ、売れ売れでは、以上のような安売りに走ってしまうでしょう。
粗利は、業界でほぼ決まったパーセントがあります。
値引販売をしても粗利が確保される販売をしなければなりません。
先ずは、売上絶対至上主義の意識を緩やかにし、最低でも業界粗利絶対確保主義でいって頂きたいものです。
値引きを容認しても限度があります。
〇%までの値引きは担当者に任せても、それ以上は責任者の決裁が必要という方法を取って管理すべきだろう。
昨日申し上げたように、経営目標・経営計画がないことが業績不振を招くと書かせて頂きましたが、経営計画を立案するときに売上高以外にも、目標粗利設定、費目別に予算設定した経費、最終の目標利益等を細かく計画して欲しいものです。
本日は、これで失礼致します。
ご意見ご感想頂けると有り難いです。
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