業績不振に陥りやすい企業①「職人気質」

※経営知識

本日から『業績不振に陥りやすい企業』と題して何回かに分けて書かせて頂きます。 

 あるデータでは、創業して１０年間で８０%の中小企業が倒産しているという。 

 また、その１０年後、つまり創業から２０年で１０%の企業しか存在していないという。 

 昨今では、倒産ではなく継承者がないため廃業せざるを得ない場合もあるようです。 

 理由はいずれにせよ、企業がなくなるということは、経営者だけでなく社員も職を失うことになり、債権者にも、またお客樣にもご迷惑をかけることになるだろう。

やはり、起業するからには当然採算とれなければやっていけないが、永く続いて欲しいと願う次第です。 

本日から、「業績不振に陥りやすい企業」の第１回目として「職人気質の経営者」について書かせて頂きます。 

職人気質の経営者は、仕事はキッチリ間違いなくできる方だと思います。

特に腕に技術をお持ちの方々は、技術を長年にわたり磨かれ絶対の自信をお持ちだと思います。 

起業する前は、当然お勤めで、その技術を売りに会社に貢献されていたと思います。 

そして、起業するわけですが、自分の商売に関する技術・知識は一流かもしれませんが、起業となるとそれだけでは成り立たないこともあります。 

今までは、雇用される側で自分の仕事だけを集中してできたかもしれません。 

他のことは会社側や同僚・上司がサポートしてくれていたかもしれません。 

経営者になるということは、自分の仕事以外に、経理のことや税金のこと、人を雇用すると労務のこと、法務的なことも必要になることがあります。 

しかし、失礼だが職人気質の方々は往々にして、分からないことは奥樣や専門家に丸投げされることが多いと思います。 

奥樣がしっかりサポートできる場合とそうでない場合があります。 

しっかりサポート出来ない場合、業績が良ければ問題ないかもしれませんが、思わしくなく売上は減少して資金繰りも苦しくなってくると大変です。 

重ねて失礼ですが、職人気質の人は気難しく、自分の意見をまげない、人に頼ることは嫌うという特徴が多いように思います。 

そういうところから、自分の仕事以外のことが分からないので、何をどうしていいのかも分からず何も手出しできなくなっていることがあるのです。 

奥樣が「〇〇に相談に行ったらどうだろう」といっても「いいや」と素直になれないことがあります。



また、これと似た場合が他にもあります。 

起業して、または親から継承して長い間経営者としてやってきて、色々な困難も乗り越え流々と営業されている企業が、業績不振に陥ると経営者のプライドか性格かが、業績不振脱出を遅らせることがあります。 

これは、「今まで、わしは幾多の困難も乗り越えてきたんじゃ。じゃから大丈夫じゃ!」と自信満々のことがあります。 

ですが、では何か対策をするのかと思いきや、何もされないのです。 

幾多の困難をどう乗り越えて来たのか分かりませんが、割にこんな企業は裕福な場合が多く、業績は悪くなっても資金が潤沢にあるのであまり焦らない経営者があります。 

ただ、世間の景気の時流に乗れただけというのは、平成初期ごろまではあったようです。 

そういうところから、出遅れて倒産に近づいていくことがあるのです。 

職人気質は良いことですが、ただ経営者になるには経営者の知識は必要だと思います。 

特に会計の知識は必要だと考えます。

なぜなら、会社は生き物と同じです。

日々色々な取引でお金と物が動き収益も変動し続けています。 

その動向を見て、怪しい動きがないか見れる能力は必要だと思います。 

健康診断もそうですが、色々な検査の結果、数値が悪ければドクターから改善方法や治療法が伝えられると思います。 

それを素直に受け止め治療することで健康を維持できるのです。 

会社も、計算書を毎月見ることで、怪しい数字の変動を見つけられることがあります。 

それを健康診断と同様に、即対応処置することで、大事に至らなくなるのです。 

「税理士に記帳・申告を任せているから大丈夫だろう」と思っている経営者、アウトですよ。 

記帳・申告を依頼していて何が大丈夫なのでしょうか?　

経営コンサルまでされることは、ないと思います。 

税金のことは税理士、労務のことは社会保険労務士、登記のことは司法書士という具合に、専門家に任されても結構だと思います。 

ただし、これられの先生方は、全て動いた結果を処理される業務です。 

リアルタイムに、怪しい動きがあれば即対処できるのは会社の人間にしか出来ません。 

会社の中のことを全て管理してくれる専門家はいなくはないかもしれませんが、そうなると自分の会社ではなくなりますよ。 

と、いうことで経営者は経営の勉強は必須です。 

特に会計に関しては絶対的だと思います。 

 日本航空をスピート再建させた京セラの創業者 稲盛和夫氏も言っておられます。

 『会計がわからんで経営ができるか』と。  

 本日は、これで失礼致します。 

 ご意見ご感想頂けると有り難いです。 

 ご質問もお受け致します。