この行為は、陰徳？陽徳？
本日は「この行為は、陰徳？陽徳？」と題して書かせて頂きます。
徳積みに関して「どんなことが陰徳なのか？陽徳なのか？」とお尋ねがあります。
以前も何度か書かせて頂きましたが、改めて書かせて頂きます。
「陽徳」は名を出して善行をすること。
「陰徳」は名を語らず人知れず善行をすること。
つまり、明らかに誰が行ったかが分かるか分からないかの違いです。
また、陰徳は陽徳の数十倍もの功徳が得られるとも言われています。
では、次の場合はどちらでしょうか？
今、電車に乗っています。
満席で空いた席がなく、立っている人もいません。
次の駅に到着しました。
ホームを見ると、高齢者が乗ろうとしています。
扉が開きその高齢者が乗車するやいなや『どうぞ』と席を譲りました。
この場合、名前は語っていませんが他の乗客に席を譲ったことが分かりますので「陽徳」ということになるでしょう。
では、この場合「陰徳」にするにはどうすればよいでしょうか？
それは、駅のホームに電車が止まりかけた頃に高齢者が見え、空席がないことを確認したらその場を立ち去り隣の車両へ移動して席を空けてあげるのです。
と言っても「陽徳」も善い行いなので悪いわけではありません。
むしろ、今の時代「どうぞ」と席を譲るところを他の人たちに見てもらった方が良いのかもしれません。
なぜなら、『我関せず』の傾向にある昨今なので「へーあーやって席を譲るのか」など身近に親切を見る機会が出来て触発される人もいるかもしれません。
もし、それを見て触発され善い行いをするようになれば、見せたことで徳積みになるでしょう。
また、施してもらった人も徳積みになるという考えもあります。
どういうことかといいますと、施しをした人は「徳積み出来ることはないかな」といつも探しているのではなく、たまたま何かに困っている人や手を貸してあげたいと思う方がいたから、行動をしただけだと思います。
つまり、その困っている・手を貸してあげたいと思う方がいなければ、施しは出来ない訳で、その施された方は施してくれた方に「徳を積ませてあげた人」になり、これも徳積みになるのです。
「托鉢(たくはつ)」をご存じですか？
僧侶が修行の一環で生活に必要な食料を布施として受け取るものですが、これは世の人々に徳を積む機会を与えるものなのです。
このイラストのようにお金を入れてあげることで、入れた人が徳を積ませてもらったので「有難うございます」と言うべきなのです。
実際、僧侶はお金をもらったから「有難うございます」とは言われないはずです。
と言うことで、施す人も施される人もどちらも、やってもらって、やらせてもらって「有難う」という気持ちを持ちましょう。
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