耐えに耐えたある経営者
幸せ導く『はた楽』経営コンサルタントで幸せ研究家の藤井孝幸です。
いつもブログを読んで頂き、ありがとうございます。
本日は「耐えに耐えたある経営者」と題して書かせて頂きます。
27年ぐらい前だったでしょうか。
起業したいという方と出会い、お手伝いすることになりました。
大手企業の技術者で、その勤めていた企業の下請けで仕事をしないかというお話しがあったようで、早期退職で起業されました。
当時300万円の資本金で有限会社を設立されました。
業種は部品加工業で機械類は中古でスタートしました。
資金が必要な場合、政策公庫などで融資を受けず、社長が個人的に会社に貸していました。
始めの数年は順調でしたが、受注が減り毎月赤字が続きました。
当然資金的にも苦しく、社長個人のお金を引き続き会社に貸していました。
その低迷期も数年続き、耐えに耐えました。
気付くと社長借入が約2,000万円ぐらいになっていました。
私は、神樣ってやっぱりいるんだと、思いました。なぜかというと・・・
携帯電話・PHS・パソコンが普及し始め、その部品加工の仕事が舞い込んだのです。
設備も増設・従業員も増員して臨みました。
「笑いが止まらない」という言葉がありますが、まさに言葉通りで、忙しくて忙しくて一変して世界が変わったのです。
その後タブレットも普及して、更に増収増益が続きました。
社長は、会社に貸したお金は全て返金してもらいました。
役員報酬も増額していましたが、それでもかなりの法人税等の税額を納めていたので、「もう少し役員報酬を上げられては」とご提案しましたが、社長は「いいえ、このままで良いです。増額して私が取ると所得税も市民税も増えますよね。今の給料で充分です。今の景気がいつまで続くか分かりません。このブームが落ち着くと仕事は激減するでしょう。またあの苦しいときには戻りたくない。」と言われました。
そして社長の予想通り、その数年後、部品加工を全面的に海外へ発注することになり、パタッと仕事がなくなりました。
その大手以外の仕事もありましたが、全体の2~3割程度だったので、また苦しい状況になりました。
しかし、社長が役員報酬を必要以上に取らず社内留保を続けていたお蔭で、銀行融資に頼らず運営出来ました。
そして、新事業へ進出の準備も進めていましたが、実子の後継者がいないことと、60代後半になってきたことで、会社を解散することになりました。
最後にお話しをしたときに、普通預金に残高が30万円しかないときがあって、給料も払えずどうしようかという時期もありましたが、何とかここまで来ました。と言われていました。
最後は景気の良いときに社内留保していた資金が数千万円あり退職金で支給することができました。
借金もなく綺麗に清算できたことを喜んでおられました。
これも、質素倹約を続けたことで、老後の財産もできたと思います。
景気の良い時には、一般的には役員報酬を上げて利益を圧縮して納税額を下げることをします。
しかし、この社長は税金を払ってでも会社に残しておきたいと貫かれました。
役員報酬を上げて、多額のお金が自分に入ってくるようになると、気持ちが大きくなり、大盤振る舞いしたり、今まで我慢していた欲しい物を買ったり、浪費をしてしまいがちだと思います。
平成の初期までは、お金が不足すれば銀行で借りればいいという考え方が多かったのですが、借りると当然返さなければなりません。
借りることで既存の返済にプラスされるので、益々返済が苦しくなるのです。
そんな調子を今でも続けていたら、昨今は、コロナ禍や毎年のように天災災害があり、得意先がまたは自社が被害にあえば瞬く間に苦しくなります。
苦しいどころではなく、一気に倒産ということにもなりかねません。
そんなことも、見据えなければならないと考えます。
経営者はそれぞれ考えがありますから、これが正解とかはありませんが、ひとつの考え方として留めておいて頂ければと思いご紹介致しました。
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最後まで読んで頂き有難うございました。
本日は、これで失礼致します。 ありがとうございました。
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