幸せ導く『はた楽』経営コンサルタントで幸せ研究家の藤井孝幸です。

いつもブログを読んで頂き、ありがとうございます。

本日は『私の経営コンサル⑤その株主構成大丈夫?』と題して書かせて頂きます。

～株式70%保有の株主がかやの外～

会社組織にされている中小企業は、株主構成をあまり気にされないことがありますが、のちのち問題になることがあります。

私は今まで数々の企業をみて気付いたことで、最悪の場合を考えてここで書かせて頂いております。

なので、どこの企業もそうだというわけではなく、「こんなことも起こりうる」とご理解を頂き、まさか問題になっても対策がとれるように願うものです。

株主訴訟という裁判がありますが、大手企業だけの話かと思いきや、中小企業に多いそうです。

訴訟の料金が昔に比べ安くなったことで、多く行われていると聞きます。

裁判にならないまでも、私は株主間の揉め事に立ち会ったことがあります。

この話は、あしかけ１５年ぐらいかけて終結したお話しです。

ある小企業の社長が亡くなりました。その社長の持ち株は発行済株式総数の７０%でした。

あとの３０%は、ひとりの従業員が持っていました。

この社長には子供がいなかったようで、この社長が可愛がっていたある男性に７０%の株式を贈与したそうです。

その贈与の方法は、生前だったのか分かりません。

７０%の株式を贈与された男性は、大手企業に勤務しており、その亡くなった社長が親代わりだったようです。

生前、その親代わりの社長から「わしが死んだら頼む」と託されていたといいます。

株式贈与を受けたが、しばらくは大手企業に勤務したままでした。

それから定年前に早期退職して大手企業を辞めて、託された会社に入社しました。

しかし、３０%の株式を所有している従業員だった人が社長で経営しており、数か月ではじき出されたといいます。

70%の株式の贈与をうけてから一回も株主総会の案内もなければ、決算書を見せてもらったことがない。当然配当金もない。

そんなことから、何度も「あれはどうなってる」とか「これはどうだ」とか「こうしたらどうだ」とか色々会社のために助言してきたと本人は言います。

しかし、社長は全く聞き入れなかったそうです。

それから数年して、毎年決算が終わると決算書は送ってくるようになったといいます。

そして、再度役員として70%株式保持者は会社に入りました。

今までの申告書や様々な書類をチェックしていきました。

毎年、株主総会をやったようにして、社長の給料も年々昇給しており、色々好き放題が数字から見て取れた。

社長の給料は、株主総会で決定されることになっているのですが、

それ以前に株主総会とは、定足数というものがあり定足数に足りていなければ総会そのものが無効なのです。

どういうことかというと、発行済株式総数が例えば10,000株としましょう。

株主数は５人いるとしましょう。　５人のそれぞれの株式保有数は均等ではありません。多い人少ない人色々だと思います。

株主５人のうち、３人だけ総会に出席したとします。その３人の合計持ち株数が4,500株だとすると、過半数に足りません。

定足数は原則過半数です。つまり、この３人だけでは、総会をやったところで法的に認められないということです。

それがこの会社は、70%の保有者が社外の人間で、総会に一回も出席していないということは、１０数年行ってきた株主総会は全て無効ということになります。

社長の給料を毎年昇給し高額を支給していましたが、株主の承認のないものになり、言い換えれば業務上横領にあたるのでは・・・。

と、いうことで、弁護士先生へ相談に行きましたところ、思いもよらない展開に・・・・。

「今まで、７０%保有しているといいながら、この１０数年黙認してきたことになります。裁判では不利です。」と言われました。

言われてみれば、確かにそうですね。

しかし、好き放題されたと文句を言うだけでは、何もならないのです。それなりの対応をしなければされ放題ということでしょう。

結局、乗っ取られたということです。

この騒動の顛末は、社長が７０%の株式を買い取り終結は致しました。

ただ、亡くなられた先代社長に「わしが死んだら頼む」と託されたが、その点では何もできず悔しい思いだったのでは・・・。

～他人株主さんに対して、ちゃんと株主さんとしての扱いをしましょう～

まだまだ、色々な事例がありますが、ここでは書ききれませんのでやめておきますが、

家族だけの株主構成だとあまり問題は起こることはないと思われます。

他人さんが1人でもいらっしゃると、何かあるかもしれません。

他人の株主さんがいらっしゃる場合は、やはり毎年株主総会にお招きして欲しいと思います。

小企業で大企業のように形式ばったものでなくてもよいと考えます。食事をしながらとか色々あるでしょう。

出資をしてもらっている以上は、総会に招集して決算書を見せて、沢山儲かれば配当金もした方が良いでしょう。

何もしないことに問題が起こるのです。

あと、他人が株主でいらっしっても出資をせず名義借りの場合があります。

これは、はやいとこ片付けておかないと、余計な支出をしなければならなくなりますよ。

名義借りの方が、亡くなられた場合に困ります。

名義を貸してくれた方は、恐らく家族に「わしはあそこの株主じゃ」と言っている思います。

そして「名義を貸しているだけじゃ」と言っていればまだ良いのですが、

相続が発生したら子供が「うちの親父がこちらの株主だったそうで。株を買い取ってくれ」ということもあり得ます。

「あれは名義借り」と言ったとこで「親父はそんなことは言ってなかった」ともめます。

平成18年に会社法が施行されてからは、株式会社は株主一人でも設立できるようになりましたので、平成18年以降設立の株式会社は株主数も多くはないと思いますので、あまり問題はないかもしれません。

会社法施行以前は、株式会社でいえば７人の発起人が必要だったので、家族だけでは人数が足らない場合「名義借り」や「友人知人に株主」をお願いすることがあったのです。

株式を買い取ってくれというのは、100万円の出資額だから100万円で買い取るとも限りません。

今まで会社の業績が良いと、株式の評価は何倍何十倍にもなっていることがあります。

だから古い会社は、早急に対応しておいた方が良いかもしれません。

～家族だけの株主構成でも問題は起こる～

株主構成を家族だけにしても、問題は起こることもあります。

どんな場合かというと、子供さん長男・次男も一緒に従事していたとします。

両親がいらっしゃる間は問題はないと思います。

これが両親が亡くなり、兄弟二人になったときに問題がおこることがあります。

業績がよければ、あまり問題はないかもしれませんが、業績悪化したときは兄弟仲が良くても対立することがあります。

責任のなすりあいです。

他に、兄弟二人でも上手くやっていても、二人とも結婚すると配偶者の智恵でいろいろ欲が出てきてもめることがあります。

何が言いたいかといいますと、喧嘩別れした兄弟を何組も見ています。

どの兄弟も問題が起こるということではありません。実際に何十年も仲良くやっておられる兄弟もいらっしゃいます。

まさかのときに備えてか、部門別に別会社をつくるとか、会社を別々にするとか色々方法はあると思います。

ただ会社が設立できればいいからと、安易に株主を決めたりせず、そういったこともあるということを知っておいて欲しいと思います。

本日は、これで失礼致します。

ご意見ご感想頂けると有り難いです。

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