仏の教えから『七仏通戒偈』

仏教に『七仏通誡偈(しちぶつつうかいげ』という教えがあります。 

 《七仏通誡偈》 　

諸悪莫作(しょあくまくさ) 

衆善奉行(しゅぜんぶぎょう) 

自浄其意(じじょうごい) 

是諸仏教(ぜしょぶっきょう) 

 漢字ばかりですが「善」とか「悪」の漢字があるので何となく意味はお分かりだと思います。 

 意味は「悪いことをしてはいけない。善いことをしなさい。そうすると心が清らかになる。これが仏教の教えです。」 

 この「七仏通誡偈」の逸話があります。 

 ご紹介致しましょう。 

 中国の詩人 白楽天が道林禅師に「仏教とは何ですか?」と尋ねたといいます。 

 すると、道林禅師は「七仏通戒偈」を示したといいます。 

 七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ) 

 「諸悪莫作　衆善奉行　自浄其意　是諸仏教」 

 そうすると、白楽天は「そんなことは3歳の子供でも知っています」と言った。 

 道林禅師は「3歳の子供でもわかるが、80歳の老人でもできていないだろう」とたしなめたといいます。 

 白楽天は謝罪したといいます。 

 つまり、『知っていても、実行しなければ意味がありませんよ』という教えです。 

これは、往々にしてあることだと感じませんか? 

 みんな「やってはいけないこと」は百も承知なのです。 

 子供のときから、誰もが親や学校の先生に『善悪』のことは教わってきたと思われます。 

 でも、大人になるにつれて年を重ねるにつれて、何故か「やらなければならないこと」が疎かになったり「やってはいけないこと」をその立場的なことやその環境の状況でやってしまうことさえもあるのです。 

 大人になり社会に出ると様々なことがあると思います。 

 特に昨今は色々な事件や事故や不祥事が起こっています。 

 企業の不祥事等も「やってはいけない」ということは分かっているのです。 

 でも、自分の立場を守る事等から致し方なくやってしまうのでしょう。 

 中々難しいことですが、日々些細なことから「善い行い」を常に心がけていくことで、「悪いこと」をすることを踏み止まることができるようになるのではないだろうか。 

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